こんにちは。PAG『Personal Act Gene』の河合です。今回は「動悸」についてご紹介させていただきます。
PAG 河合|「よくある動悸」と「危ない動悸」、どこが違うの?」
動悸とは?
診察室では、「どのような動悸ですか?」と良くお聞きします。脈拍が速くなる、バラバラになる、鼓動が強くなる、耳元で心臓の音が聞こえるなどさまざまな答えが返ってきます。果たして、どれが動悸なのでしょうか?
この時、われわれは警察官の如く、動悸が悪いものだと仮定して取調べを進めていきます。特に日本で生まれ育ったある年代以上の人たちは、「動悸、息切れに。キューウシン、キューシン」という、リズムが記憶に刻まれ、「動悸」という言葉に対して親近感があり使いやすい単語になっているのです。とにかく、心臓が騒いだら動悸と捉えてしまうのです。
でも、これはちょっと違います。ここではいったん、動悸とは「心臓の拍動の異常を意識してしまうこと」と定義して話を進めていきましょう。
よくある動悸について
「階段を昇ったらドキドキするんです」
このようにおっしゃる人がいますが、たいていある程度の年をとられた人です。普段から特別に運動をしていない人で、体を動かすことにより心臓の回転数が上がり、それをドキドキすると感じているのですね。このドキドキは、病的でないことは推測がつくことでしょう。もちろん、心臓に病気を持っていないことを前提としています。
危ない動悸に関連する病気
動悸が原因で脳梗塞になることがあります。様々ある脳梗塞の中でも、動悸によって心臓の中に血の塊(血栓)ができて、それが脳の血管に飛んで、血管が詰まることで脳細胞が死んでしまうのが、心臓を発端とする脳梗塞です(心原生脳梗塞)。心房細動という動悸が原因で、これはずっと続いている人と発作的に起こる人がいます。いずれの場合もバラバラな脈で、時に心拍数が100以上と速くなることがあり、速いバラバラな脈は心臓の中に血栓をつくってしまうのです。これが脳梗塞になってからようやく見つかる人がいるんですね。
動悸とは、心臓のリズムや鼓動の強さを示す言葉になります。動悸のうち頻脈に分類されるものは、1分間に100回以上の心拍数があります。気を失うほどの速い脈で、特に心臓の心室から連続して起きる心室頻拍は致死的になることがあります。生まれながらその要因がある人、薬の副作用でそうなる人、心臓の疾患によってそうなる人、さまざまな原因がありますが、この動悸こそがAEDなどの電気ショック(除細動)が必要となるのです。また、遅い脈で気を失うこともありますが、これは別の機会にお話しいたします。
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